今までありがとね!ご主人様!

  • 2008/12/22(月) 14:13:51

犬   「眠るの!?僕、眠るの!?ねぇ!今!ここで眠る!?」
飼い主「あぁ、眠るよ」
犬   「本当!?大丈夫なの!?ただ疲れただけじゃない!?」
飼い主「あぁ、15年も生きたから大丈夫だよ」
犬   「そうかぁ!僕犬だから!犬だから歳わかんないから!」
飼い主「そうだね。わからないね」
犬   「うん!でも15年も生きたんだ!そうなんだぁ!
     じゃぁ眠っていいんだよね!」
飼い主「そうだよ。いいんだよ」
犬   「よかったぁ!じゃぁ眠ろうね!穏やかに眠ろう!」
飼い主「うん、眠ろうね」
犬   「あぁ!15歳だから大往生だね!ね、ご主人様!」
飼い主「うん。静かに眠っていいよ」
犬   「あぁーご主人様は今ぼろぼろ泣いているよー!
     笑って見送って欲しいよー!今までありがとねぇー!」




犬   「天国!?ここ、天国なの!?ねぇ!天国!本当に!?」
飼い主「あぁ、久しぶり」
犬   「本当!?本当にご主人様なの!?嘘じゃない!?」
飼い主「あぁ、本当だから大丈夫だよ」
犬   「そうかぁ!僕犬だから!犬だからあの世とかわかんないから!」
飼い主「そうだね。わからないね」
犬   「うん!でも天国なんだ!そうなんだぁ!
     じゃぁもう待たなくていいんだよね!」
飼い主「そうだよ。待たなくていいんだよ」
犬   「よかったぁ!じゃぁ歩こうね!一緒に歩こう!」
飼い主「うん、歩こう」
犬   「あぁ!これからずっと一緒にいられるね!ね、ご主人様!」



飼い主「うん。ずっと一緒だよ」
犬   「あぁーご主人様と僕はずっと一緒だよー!幸せだねぇー!」

うるさい犬だったよ。

  • 2008/12/22(月) 13:46:41

こないだうちの犬が死んだ。うるさい犬だったよ。
俺が飯食べてるとワンワン吠えてさ、「さっき餌やったろ!」って怒っても全然聞かないの。
しかも頭が悪いからそこらじゅうにウンコだのオシッコだのしやがる。したかったら吠えろっつの、そういう時こそ吠えろっつの。
まぁそんな馬鹿でうるさい犬だったけどさ、愛嬌があって家族にも可愛がられてたよ。
んである日俺が学校から帰ってくると、白かったその犬の毛が、まっ黄色になってた。
びっくりして近寄って、なでてみてもあまり反応がない。
家族に「どうしたの?」ってきいたら、最近こいつ餌を残すようになって、おかしいと思った家族が病院につれったらしい。黄色いのは薬のせいだって言ってた。
俺は驚いたけど、特に気にしなかった。だって俺が飯食ってると、そいつは物欲しそうによってくるんだ。
調子悪いのは一時だけ。すぐに良くなるだろ、なんてたかくくってた。
ある日曜日の事だった。ヤツは朝から苦しそうにうなってた。獣医さんは今夜が山だ、みたいな事を言ってたから、「大げさだよ」なんて言ってた俺も内心ヒヤヒヤしてた。
夕方になり、ヤツはゼェゼェと苦しそうに息をしながらもがく。どうしていいかわからない。なにもヤツにしてあげられない。
苦しいか?ごめんな、もっと早く気付いてやれなくて。ごめんな。こういうときこそ、なぁ吠えてくれよ、食べてくれよ、飲んでくれよ、生きてくれ、死なないでくれよ。
ヘタレな俺は痛々しいヤツを見るのがイヤで、自分の部屋に逃げ込んだ。
数十分して、家族に呼ばれた。「辛そうにしてるから、背中なでてやって。」
言われるがままにヤツの前に再び立った。足が震えてもう何も言えなかった。ただ、ヤツの体に触れて、ヤツのよわよわしい心臓の鼓動を感じていた。
するとヤツは急に呼吸を止めた。それにともない、まもなく心臓も動くのを止めた。壮絶だった。
家族は泣きながら俺に、「きっとお前の前だから安心して死ねたんだろう。」と告げた。
こないだ、ウチの犬が死んだよ。うるさくて、食い意地のはった白い犬。
けど俺は、世の中のどんな犬よりかわいい犬だと思ってる。
たまにはこうやって、しんみりしてやるからさ、向こうでもたっしゃでやれよ。また会えるその日まで。
じゃあな。

親父の飯

  • 2008/12/22(月) 13:00:22

小1の秋に母親が男作って家を出ていき、俺は親父の飯で育てられた。
当時は親父の下手くそな料理が嫌でたまらず、また母親が突然いなくなった寂しさもあいまって、俺は飯のたびに癇癪をおこして大泣きしたり、喚いたり、ひどい時には焦げた卵焼きを親父に投げつけたりなんて事もあった。
翌年、小2の春にあった遠足の弁当もやっぱり親父の手作り。
俺は嫌でたまらず、一口も食べずにちょっとずつわけてもらったおかずと、持っていたお菓子のみで腹を満たした。
弁当の中身は道に捨ててしまった。
家に帰って、空の弁当箱を親父に渡すと、親父は俺が全部食べたんだと思い、涙目になりながら俺の頭をぐりぐりと撫で、
「全部食ったか、えらいな!ありがとなあ!」
と本当に嬉しそうな声と顔で言った。
俺は本当の事なんて勿論言えなかった。
でも、その後の家庭訪問の時に、担任の先生が俺が遠足で弁当を捨てていた事を親父に言ったわけ。
親父は相当なショックを受けてて、でも先生が帰った後も俺に対して、怒鳴ったりはせずにただ項垂れていた。

さすがに罪悪感を覚えた俺は、気まずさもあってその夜、早々と布団にもぐりこんだ。
でも、なかなか眠れず、やっぱり親父に謝ろうと思い親父の所に戻ろうとした。
流しの所の電気がついていたので、皿でも洗ってんのかなと思って覗いたら、親父が読みすぎたせいか、ボロボロになった料理の本と遠足の時に持ってった弁当箱を見ながら泣いていた。
で、俺はその時ようやく自分がとんでもない事をしたんだって事を自覚した。
でも初めて見る泣いてる親父の姿にびびってしまい、謝ろうにもなかなか踏み出せない。
結局俺はまた布団に戻って、そんで心の中で親父に何回も謝りながら泣いた。
翌朝、弁当の事や今までの事を謝った俺の頭を親父は、またぐりぐりと撫でてくれて、俺はそれ以来親父の作った飯を残す事は無くなった。

親父は去年死んだ。
病院で息を引き取る間際、悲しいのと寂しいのとで、頭が混乱しつつ涙と鼻水流しながら、
「色々ありがとな、飯もありがとな、卵焼きありがとな、ほうれん草のアレとかすげえ美味かった」
とか何とか言った俺に対し、親父はもう声も出せない状態だったものの、微かに笑いつつ頷いてくれた。

厳しい親父だった

  • 2008/12/20(土) 11:07:09

家族でお出かけ中、4つ違いの妹(当時小学生)がビタン!と転倒、
泣き叫ぶ妹を親父は抱き起こし、泣きやむまでおぶって歩いた。
厳しい親父だったし、俺はそんな事してもらった事はなかった。
小坊だった俺はその場では文句も言えず、
後で母親に「ずるい…」とか拗ねてみせた覚えがある。
それから十余年、俺が一九の時に親父が胃ガンになった。
告知はしていなかったが親父は自分の病状に気づいている様子。
見舞いに行ったある日、親父は俺にこう言った。
「10歳の時、○子(妹)が転んだ事、覚えてるか?」
「うん」
「母さんから聞いた。悪かったと思ってる。でもな」
「今更何だよ」
「○子は優しく育って欲しいから助けた。おまえは強く育って欲しいから放っておいたんだよ」
「・・・・」
泣いちゃいけないと思いながら、泣けて仕方なかったよ。

笑ってやるって言ってたやないか!笑え!

  • 2008/12/20(土) 11:05:13

去年のちょうど今頃の話なんだが。
仕事の関係で俺はほとんど日本にいなかった。
で、六ヶ月振りに日本に帰って来たんだよ。
帰ってきた港の直ぐ近くに祖母と叔父夫婦が住んでる家があったんで、土産持ってな。
んで、いつも通り「おいばばぁ!今年の夏は暑いけどくたばってへんやろなw」とか言いながら家に入った訳。
でも祖母の返事が返ってこない。
いつもなら「お前こそ死んだと思ってたわwww」とか笑いながら出てくるのに。
で、代わりに出てきたのが叔父。「ばあさん、3月に脳梗塞で・・・」って突然言われたんだよ。
慌てて祖父の仏壇のある仏間に行ったら、祖父の遺影の横に祖母の遺影が。
俺もう、大声出して泣いたのよ。祖母は大好きだったのに、その死に目にも会えなかったのかよってな。
そしたら、突然祖母の声が聞こえたんだよ。

「○○(俺の名前)、うちが死んだら笑ってやるって言ってたやないか!笑え!」

ってな。一緒にそこにいた叔父夫婦もしっかり聞こえたらしい。
もうそこからは俺も叔父夫婦も大笑いしながら大泣き。
滲んで良く見えない視界の隅で、祖母の遺影が笑ったような気がした。